“海の貴婦人”帆船海王丸の展帆ボランティア養成訓練に参加してみた

“海の貴婦人”帆船海王丸の展帆ボランティア養成訓練に参加してみた

帆船海王丸

こんにちは!ハリボーです。

富山県にはドライブに適したスポットが多数ありますが、特に素晴らしいロケーションと言えば射水市の新湊大橋海王丸パークでしょう。

晴れた日には立山を背景に最高の景色を堪能できます。

この海王丸という船ですが、全国でも珍しい大型の帆船です。

帆を使って風の力で走る船です。

年に10回ほど、総帆展帆(そうはんてんぱん)といって計29枚の帆を全て開くイベントが開催されます。

帆を開くのは船員の方々だけでなく、ボランティアの方々で実施されます。

海王丸ボランティアとは

海王丸で募集している展帆ボランティアとは、船のマスト(柱)に登ってセイル(帆)を開く作業をするボランティアです。

マスト先端は海面から46メートルと高所での作業です。

怪我のないよう安全に作業をおこなうために、ボランティア登録には2日間の養成訓練への参加が必要です。

ボランティア参加方法

ボランティアは海王丸パークの公式HPから応募できます。

応募資格は「15歳以上の健康な方」です。

高い所が苦手でも、体力に自信が無くても、泳げなくても、健康であれば誰でも応募できます。

船員さんたちは仕事柄か筋肉質な方が多いですが、ボランティアでそこまでの体力は求められません。

意外と女性や年配の方が多いです。

養成訓練スケジュール

海王丸ボランティア養成訓練は土日を使った2日間で、年6回程度実施されます。

ただし、新型コロナウイルスの影響で2021年現在は不定期での実施となっています。

また天候によっては直前に実施不可能となる場合があります。

2日間の養成訓練では座学・実技全て海王丸の上でおこなわれます。

1日目終了後には海王丸の船内で無料宿泊体験ができます。(希望者のみ)

養成訓練1日目

私が海王丸ボランティアの存在を知ったのは新湊大橋の記事を書いていたときです。

海王丸のマストに登ってみたい!というワクワクから応募しました。

実施当日は朝9時からスタート。

会場は海王丸船内の第一教室です。

持ち物は洗面用具や着替え、タオルなどのほか、「底の薄い靴」が必要です。

ロープを登るときに足の裏の感覚がキッチリ伝わることが大切とのこと。

普通のスニーカーで大丈夫ですが、汚れてもよいものを選びます。

受付

まずは訓練開始前に新型コロナウイルス対策のため健康チェックを済ませます。

さらに握力測定

ロープにぶら下がる場面もあるので、自分の握力を把握しておくことが大切です。

測定はしますが、握力が低かったからボランティアに参加できないわけではありません。

ちなみに私は日本人平均を10kg下回っていました。

パワーは自信ありません。

私と同じ日に参加していたのは計5名。

新型コロナウイルス対策のため、少人数かつ富山県在住の方限定です。

定年退職後の方、私と同世代の会社員の方、そして学生の方が2名。

男性2名、女性3名でした。

船内で講義

訓練を担当いただくのは海王丸財団の職員さん。

外洋航海経験が豊富な海のプロの方々です。

初日の講義では安全装備の取り扱いや海王丸の構造について学びます。

海王丸のマスト(柱)、セイル(帆)、ロープの名称を全て覚えます。

マストは計4本。それぞれにヤード(横向きの柱)が2~6本あり、セイルは各所に計29枚、ロープはセイルの構造により異なりますが、セイル1枚につき4本ほど。

これが初見では本当に覚えられません。

講義を担当してくれた二等航海士さん(セカンドオフィサー)が丁寧に実物と照らし合わせながら説明してくれるのですが、似たような名称も多くてすぐに混乱してしまいます。

シュラウド」「クリューライン」「ビレイピン」といった横文字が続いて、わけがわからなくなります。

テストがあるわけではありませんが、覚えておいた方がボランティア本番でスムーズに動けます。

ちなみに「シュラウド」はマストに登るときに掴む手摺、「クリューライン」はセイルの端部(クリュー)を動かすロープ、「ビレイピン」はロープを縛り付けるピンのことです。

安全装備の取り扱い

海王丸のマストは一番高いところで海上から46メートル。

ひとつ間違えたら大怪我に繋がる危険な作業です。

安全装備を正しく着用し使用しなくてはいけません。

このあたりの法律が近年変わってきたようで、従来は腰ベルトを用いていたのですが、2021年の養成訓練からは「フルハーネス」着用となりました。

このフルハーネスを作業着の上から着用し、「ランヤード」というフックを取り付け、「アサップロック」というスライド装置を取り付けます。

これらの安全装備の取り扱いを学ぶのですが、付けたり外したりする箇所が結構多いです。

マストに登るとき、どこを取り付けてどこを外したらよいか混乱しそうになります。

逆にいえば、引っ掛かる場所が多いので常にどこかは繋がっている状態となります。

安全がしっかり保たれていることは間違いありません。

ぶら下がりテスト

マストに登る前には「ぶら下がりテスト」を実施します。

片手の握力で全体重を何秒支えられるかのテストです。

30秒が目標ですが、30秒耐えられなかったとしてもマストに登れないわけではありません。

自分の限界を正しく把握するためのテストです。

しかし、このぶら下がりテストはかなりキツいです。

特に利き腕ではない方の腕での30秒間はめちゃくちゃ長く感じます。

私は意地で両腕とも30秒耐え抜きました。

平均以下の握力でよく頑張った。

繰り返しますが、30秒持たなくてもボランティアは参加できます。

登檣訓練

登檣(とうしょう)訓練とは、船のマストに登る訓練のことです。

初日の登檣訓練の目的は、「高さに慣れること」。

目指すはデッキからの高さ11.5メートルの「トップ台」です。

フルハーネスを取り付け、入念に準備体操をおこないます。

手摺となるシュラウドを掴んで三点支持を守りながら一歩一歩進みます。

日常生活ではありえない高さです。

なかなかの怖さを感じましたが、傾斜もあるのでわりと景色を楽しむ余裕がありました。

安全装備もしっかりつけているので安心感があります。

と、油断していました。

トップ台直前で反り返っている場所があり、必然的に体が空中に浮かぶ形になります。

しかも揺れる

ここが初心者にとってひとつ難所といえそうです。

熟練者であれば握力をほとんど使うことなく足の力だけで登れるそうですが、私はガッチリ握力で体を支えていました。

先程のぶら下がりテストに加えてこの難所突破で握力を完全に使い切りました。

船内で宿泊

訓練を終えた後は船内での宿泊体験です。

船に泊まる」というだけでなんだかワクワクします。

船室はかつて実習生が使用していたところです。

新型コロナウイルス対策で、参加者5名は別々の部屋に。

8人部屋を独り占めという贅沢な使い方をしました。

トイレはウォシュレット付き。

シャワールームも綺麗でした。

船の上では衛生環境が命ですから、水回りはしっかりしています。

海王丸は夜になるとライトアップで鮮やかに彩られます。

帰り時間を気にすることなく、ゆったりライトアップを眺めながら過ごせるのは貴重な時間です。

場所柄、夜が更けると派手なバイクの音が鳴り響くのですが、、、。

船室はある程度防音がしっかりしているのか、快適に眠れました。

船内では講義室のみ飲食が可能ですが、お酒はNGです。

食事は毎食お弁当が支給されます。

養成訓練2日目

海王丸の朝は「甲板流し」から始まります。

デッキを綺麗に掃除するのですが、デッキブラシでなくヤシの実で掃除します。

ヤシの実って実はたわしの素材なんですね。

登檣訓練

2日目の登檣訓練はさらにレベルが上がります。

目指すは初日に目指した「トップ台」の一つ上にある「ゲルン台」です。

デッキからの高さは24.5メートル。

初日に通った難所を再び攻略する必要があります。

少し慣れてきたのか、あまり握力を使わなくても進めるようになってきました。

ゲルン台からは新湊大橋を真横から眺め、海王丸パーク全体を見下ろすことができて素晴らしい景色が楽しめます。

この最高の景色は登った人の特権です。

操帆訓練

マストに登れるようになっても、肝心なのはマストの上で作業をすることです。

ボランティアとしての業務はセイルを展開したり畳んだりすること。

そのためには、マストからヤードに渡る必要があります。

ヤードとは水平にかかる柱のこと。

ひとつのマストに2~6本ほどあります。

ヤードの下にかかっているのはフートロープ

このロープを足場にしてヤードに渡ります。

これがなかなかの度胸試し

フートロープは踏むとかなり沈む上に、同じロープに3人4人と乗ってくるのでめちゃくちゃ揺れます

手はしっかり掴む部分がありますが、足元は綱渡り状態。

また、セイルを展開するときに両手を使うので、そのときは綱渡り状態の両足と腹部で三点支持をキープしなければいけません。

フルハーネスがあるとはいえ、足が震えました。

自分の足が震えているのか、他の参加者の足が震えているのがフートロープを介して伝わっているのかわかりませんでした。

それでも何度か繰り返すうちに慣れてきましたが、こうした作業は慣れた頃に怪我をしやすいものです。

初めて作業したときの「怖い」という感情は大切にしなければいけません。

訓練終了

2日間の訓練を終えて、晴れてボランティアとしての登録を行いました。

次回の総帆展帆から参加できるようになりました。

2021年は新型コロナウイルスの影響で日程は確定していませんが、早ければ11月に実施するかもしれないとのこと。

ぜひとも参加したいと思っています。

あまり期間が空き過ぎるとせっかく覚えたセイルの名前などを完全に忘れてしまいそうなので、、、。

開催予定は海王丸パークHPInstagramで情報公開しています。

また、海王丸ボランティアも大募集中とのことです。

日常とかけ離れた貴重な体験ができる素晴らしい機会です。しかも無料。

ボランティアと気負わず、面白いアトラクションとして挑戦しても大丈夫です。

ぜひ公式HPよりご応募ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です