こんにちは!ハリボーです。
富山県を代表する観光名所と言えば黒部ダムですね。
スケールの大きさや工事の難関さから「プロジェクトX」や「黒部の太陽」などで大きく取り上げられています。
黒部川は水量が多く急流のため水力発電に適しています。
そのため、ダムはひとつだけではありません。
富山県の観光名所「宇奈月温泉」のすぐ上流側にも『宇奈月ダム』があります。
黒部川を守る砦『宇奈月ダム』
水量の多い黒部川には合計5個のダムがあります。
上流から順に黒部ダム、仙人谷ダム、小屋平ダム、出し平ダム、そして宇奈月ダム。
最も下流に当たる宇奈月ダムは唯一自家用車で見学可能なダムです。
他のダムはトロリーバスやトロッコ列車に乗らないとアクセス不可能です。
宇奈月ダムのアクセス
宇奈月温泉中心街から車で10分程度です。
黒部川を渡るために一旦温泉街を出てぐるっと回る必要があります。
宇奈月ダムの特徴
宇奈月ダムは堤高97メートル、堤頂長190メートル。
2001年に完成した重力式コンクリートダムです。
大量のコンクリートブロックの重みで支えられています。
こちらはダムのすぐ下流側にある「ホテル黒部」から見た宇奈月ダムです。
宇奈月ダムが持つ3つの役割
宇奈月ダムは洪水調節、水力発電、そして上水道供給の3つの役割があります。
「うなづき湖」というダム湖で洪水調整を行います。
宇奈月ダムの特徴『排砂ゲート』
宇奈月ダムが持つ特徴的な機能が「排砂」です。
黒部川のように土砂の多い川では、土砂堆積によりダム機能が失われるリスクがあります。
ダムの貯水容量の低減、取水口の閉塞などの可能性があり、土砂を上流から下流へ流すことが必要です。
すなわち、ダムと自然の共存のために不可欠な手段が「排砂」なのです。
宇奈月ダムでは上流の出し平ダムと「連携排砂」を実施しています。
2つのダムが連携し、ダム貯水池の水位を下げ自然に近い流れを作り出して排砂ゲートを開けて排砂を行います。
排砂は河川や海の水質など環境に与える影響が大きいため、流域市町との協議が欠かせません。
情報資料館「大夢来館」
宇奈月ダムの歴史や構造が学べる施設が宇奈月ダム情報資料館「大夢来館」です。
「だむこんかん」と読みます。
「ダムコントロールシステム」が由来とのこと。
宇奈月ダム横、ダム管理棟の2階にあります。
ダムの仕組みを映像やジオラマでわかりやすく学べる施設です。
子供たちが興味を持てるよう工夫した展示が多いです。
富山県は黒部川だけでなく、常願寺川、神通川など急流河川が並びます。
富山の歴史は砂防の歴史といってもいいでしょう。
幾度となく流され、幾度となく復興してきた力強い街です。
富山県の砂防の歴史はこちらでも紹介しています。