クレセント錠とは?
窓の防犯に用いられているロック式のカギ。
「クレセント錠」という名前があります。
半円形の金具が回転してロックする仕組みから、三日月(クレセント)の名前が付けられました。
そんなクレセント錠ですが、壊れてしまうことがあります。
強い負荷が繰り返し加わる箇所ですので、経年劣化も加えて壊れるのは仕方ありません。
今回は壊れてしまったクレセント錠を新しいものに交換してみました。
クレセント錠の交換
今回交換する古いクレセント錠と、新しく用意したクレセント錠はこちら。
左側は30年以上使っていたもので、内部のスプリングも壊れてボロボロ。
ある程度調整の利く右側の万能クレセント錠を用意しました。
しかし交換時にひとつ問題が発生します。
クレセント受けの規格が合わない
クレセント錠のサイズが大きくなったことで、クレセント受けのサイズが合わなくなってしまいました。
下図の長さが新しいものだと適合外となります。
約10ミリほど寸法を伸ばさないと取り付けられません。
通常ならば使えないところですが、こんな時こそDIY。
自力で金具を作って適合させることに挑戦しました。
調整用金具のアイデア
今回作成するのはクレセント受けを約10ミリ延長する金具です。
簡単な部品図を作図しました。
手作業ゆえに精度は粗くなりますが、とにかく取り付けばOKとします。
アルミ板の金属加工
まずはアルミ板を使いたい長さに切り落とします。
マーキングを行い、グラインダーで切断。
グラインダーの使い方はこちらの記事で紹介しています。
続いて電動ドリルで4か所に穴を空けます。
4.5のキリ穴を2か所、M4タップの下穴に3.5のキリ穴を2か所。
さらにM4タップを空けていきます。
タップとはめねじを切る加工のことです。
T=1(厚さ1ミリ)のアルミ板なので、タップの有効長はかなりの短さ。
簡単にタップ穴がバカ穴になってしまうので、切削オイルを垂らしながら慎重にタップを切ります。
最後にバリ取りとヤスリがけを行って完成です。
新しくなったクレセント錠
今回作成した金具を使用した新しいクレセント受けがこちら。
不足していた寸法を調整することができました。
この上に新しいクレセント錠を取り付けます。
金具に合わせて高さを微調整。
スムーズにロックが掛かるようになりました。
金属加工ができるようになると、DIYの幅がグッと広がります。
特に、タップが切れるとかなり便利です。