電源が入らなくなってしまった壊れたおもちゃピアノを修理してみた

電源が入らなくなってしまった壊れたおもちゃピアノを修理してみた

電源が入らない不具合

電気製品の壊れ方にはいくつかのパターンがあります。

突出して多い症状が「電源が入らなくなった」というケース。

家電製品から子供のおもちゃまで、さまざまなモノに共通して発生する不具合のひとつです。

電源が入らないケースは他の複雑な壊れ方よりも原因特定が容易で、修理がカンタンな場合が多いです。

すなわち、DIY初心者でも気軽に挑戦可能な作業といえます。

今回はおもちゃピアノを修理した事例を紹介します。

壊れたおもちゃピアノを修理してみる

「音が鳴らなくなった」というおもちゃピアノはこちら。

25鍵盤の子供用ミニピアノです。

基本的な作業の流れはメーカーのサービスエンジニアと同様。

不具合原因分析、故障箇所の修復、確認テストという流れで修理を行います。

不具合原因の調査

まずは発生している不具合の原因を調べます。

ACアダプタを接続した状態で電源ボタンを押してみると、確かに電源が入りません。

ここで気になったのはACアダプタの差込口。

ジャックを差し込んだ状態で負荷がかかると、てこの原理で内部破損が起こりそうな形状です。

つまり、ACプラグ周辺の電圧を測定することで故障個所を特定できそうです。

ピアノのフタを開けて内部を確認します。

ケーブル等をずらして作業しやすい環境を整えます。

まずは基板にはんだ付けされているACプラグを目視確認。

続いてテスターを使ってACプラグ自体が壊れていないかチェックします。

両側に出ている足とプラグ内部との導通チェックを行った結果、問題ありませんでした。

従ってACプラグ自体の故障ではないことがわかりました。

さらなる原因を調べるため、固定ビスを外して基板の裏側を確認します。

ACプラグの裏側を目視確認すると、ハンダの割れを発見。

外部からプラグに強い力が加わった結果、基板からハンダが剥がれてしまった模様です。

電源ラインが途切れていた箇所が判明しました。

不具合原因の特定が完了したので、続けて故障個所の修復を行います。

故障個所の修復

割れてしまったハンダを再度くっつけ直します。

メーカーによっては溶けにくいハンダを採用している場合もあるので、温度調節機能付きのはんだごてがあると作業が楽です。

はんだを溶かして導通を確認します。

再び強い力が加わったときに壊れないよう、ACプラグ周辺にはホットボンドを塗ってガッチリ固定しました。

外したケーブルやフタを元に戻します。

これで故障個所の修復は完了です。

確認テスト

問題なく音が鳴ることを確認します。

ACアダプタを差し込んで電源ボタンを押すと、しっかりと電源が入りました。

鍵盤を押すと音が鳴り、ボリューム調整機能も問題なし。

他の不具合も特にないので、テストは合格です。

以上でおもちゃピアノの修理は完了です。

ACプラグ自体は壊れておらずハンダ剥がれのみの対応だったため、とても簡単に修理を終えることができました。

DIYで電源を修理する際の注意点

DIYで電源周りを修理する際に気を付けなくてはならないことが感電です。

修理中は当然コンセントからプラグを抜いて作業しますが、「うっかり」電気が流れたまま作業してしまうミスが考えられます。

通常、人間は40ボルト程度の電圧で致命傷を受けるとされます(条件により異なるため目安)。

家庭用電源の100Vは人間にとって危険な電圧です。

ACアダプタを介して動作する小型製品であれば電圧が5~12V程度ですので、比較的危険度が小さいといえます。

DIY初心者の方は危険度の少ないもので慣れていきましょう。

危険度の高いものは第二種電気工事士取得者などの熟練者が行いましょう。

まとめ:電源修理のDIY

「電源が入らなくなった」という不具合は頻繁に起こりますが、頻繁に起こるがゆえに原因特定も容易な場合が多いです。

電源供給元からケーブルを辿って目視点検を行い、怪しい部分をテスターで通電チェックという流れである程度は解決します。

もちろん中には原因特定が難しい複雑な不具合もあります。

やっかいな不具合に直面した時に「面白くなってきたな」と思う方はエンジニアに向いています。

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