DIYにおける資格の重要性
DIYは「Do It Yourself(ドゥ イット ユアセルフ)」の略称で、プロの大工さんなどに頼らず自分で何かを作ることを指す言葉です。
家具や小物を自作したり、家や庭を修繕したり。
創作意欲が満たされると同時に、プロに頼むお金を節約できることから、DIYは広い世代に人気の趣味といえます。
しかし、DIYには危険性もひそみます。
特に注意しなければならないのが電気関係のDIY。
エアコン設置やコンセント交換を自力でやろうとして失敗し、火傷などの怪我や住宅火災が発生したという悲しいニュースを見かけることも。
DIYには自力で取り組んで良い範囲とダメな範囲があり、法律で区分されています。
家庭用100V電源周りの作業を行う場合、「第二種電気工事士」という資格が必要不可欠です。
第二種電気工事士とは
第二種電気工事士は国家資格のひとつです。
免許保持者は交流600V未満の電気工事を実施することが可能です。
上位資格として「第一種電気工事士」がありますが、一般家庭向けの配線工事には第二種があれば充分です。
「電工2種」と略されます。
試験は学科試験と実技試験から構成されます。
合格後は即座に免状申請が可能であり、実務経験は必要ありません。
合格率はおおむね50%を越えており、国家資格の中では比較的容易な部類です。
資格保持者でないと行えない作業も多く、いわゆる「業務独占資格」にあたるため、就職・転職・独立開業などにも有利といわれます。
DIYに役立つ電工2種
電工2種を取得することでDIYの幅がグッと広がります。
いくつか活用例を紹介します。
コンセントの交換
古い家に住んでいるとコンセントが錆びきってボロボロ…という場合も。
無理に使い続けると発熱やトラッキング火災などのリスクがあります。
交換用コンセントはホームセンターで売っていますが、交換作業には電工2種の資格が必要です。
照明シーリングの交換
模様替えなどで照明器具の形状を変えたい場合にも電工2種が役立ちます。
通常、照明には「シーリング」と呼ばれる接続パーツが付いており、取り付け形状が一致するタイプであれば誰でも交換ができます。
しかし中にはシーリング自体の交換が必要なパターンもあります。
電工2種があれば照明器具を選ぶ際の制限がなくなり、インテリアにもこだわることができます。
エアコン修理
夏場真っ盛りなど壊れてほしくないときに壊れるのがエアコン。
業者を呼ぼうにも混んでおり、数日間待たなくてはいけないという悲惨なケースも。
壊れ方にもよりますが、電気の基礎知識を有する資格保持者であれば対応可能な場合もあります。
別のエアコンに交換する場合でも電気工事士の資格が重要になります。
ただしエアコン工事は難易度が高いので、資格を取ったばかりの初心者がいきなりエアコンに手を出すのは控えましょう。
第二種電気工事士の取り方
第二種電気工事士は電気技術者試験センターのホームページより受験申し込みが可能です。
春期、秋期の年二回試験が実施され、学科試験合格者のみ実技試験に挑戦できます。
学科試験は試験会場で受ける方法と、コンピュータで行うCBT方式の2通りから選べます。個人的にCBTがオススメです。
テキストは一冊あれば充分です。中学物理の復習にもなります。
学科試験に合格したら実技試験です。
最低限必要なのはペンチや圧着工具、ドライバーなどの「試験用工具」です。
工具は全て自分で用意する必要があります。
初心者の方は試験用セットを購入しておけば間違いないです。
実技試験の出題パターンは毎年決まっているので、一通り作れるようになっておけば当日焦る必要はありません。
特別手先が器用でなくとも練習すれば充分に合格が可能です。
就職やスキルアップにも繋がり、DIYでも大活躍する「コスパのいい」国家資格、それが第二種電気工事士です。
申し込みは電気技術者試験センターまで。