フィクションにありがちな施設名
漫画やドラマでは頻繁に「某社」や「A市」などの仮称を見かけます。
お決まりのパターンでは「集英高校」や「吉本組」、「四菱重工」や「ネズミーランド」など。誰しも一度は聞いたことがあるでしょう。
そんなフィクションの名称かと思いきや、実在する施設名が岐阜県にあります。
郡上市にある「大中小学校」です。
一見、創作に出てくる学校名のようですが、ちゃんと存在します。
大中小学校とは
大中小学校は郡上市白鳥町にあります。
国道156号線沿い、東海北陸自動車道の白鳥ICを降りてすぐの場所です。
ガソリンスタンドの目の前に建つ三階建ての施設。
当たり前ですが見た目は普通の小学校です。

撮影日は日曜なので付近には誰もいません。
正門には確かに「大中小学校」の表記が。

なんて読む?
大中小学校は「だいちゅうしょう」と呼んでしまいそうな名称ですが、実は違います。
「おおなかしょう」と読みます。
すぐ近くを走る長良川鉄道の駅名も「大中(おおなか)」です。

英語表記は「OONAKA」と書かれています。
せっかくなら「Large Middle」と訳してほしいところ。
「大中」の由来は?
学校のホームページに記載されている沿革によると、このユニークな名称は合併により誕生したもの。
明治6年に創設された大島尋常小学校が、後に中津屋尋常小学校と合併。
大島の「大」と中津屋の「中」が合体して「大中」となりました。
現在の「大中小学校」という名称が使われたのは1951年以降のことです。

また2024現在の地名においても「大中」は見当たりません。
大中小学校の住所は「白鳥町中津屋」、長良川鉄道鉄道の大中駅は「白鳥町大島」です。
また付近に中学校や大学はなく、「大中中」や「大中大」も存在しません。
まるで「大中小」を作るためだけに都合よく「大中」という名称が作られたかのよう。
ただの偶然ではない、意図的なネーミングを感じてしまいます。
当時の名付け親に遊び心があったのかもしれません。