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こんにちは。ハリボーです。
岐阜県の山城といえば金華山・岐阜城が有名ですが、東濃エリアにも外せない絶景の山城があります。
中津川市にある苗木城跡(なえぎじょうあと)です。
天守閣こそありませんが、要塞のように組まれた花崗岩の石垣は訪れた方を虜にする美しさです。
木曽川沿いに建てられた山城はまさに『天空の城』そのもの。
今回は苗木城跡をさまざまな角度から見に行ってみました。
天空の城『苗木城跡』とは
雲に飲まれる美しさから「天空の城」の異名がついた山城は全国でも少数。
兵庫県の「竹田城跡」や三重県の「赤木城跡」などが有名ですが、中津川市の苗木城跡も負けていません。
木曽川の右岸にそびえる巨岩を抱え込むように建てられた石垣は圧倒的な迫力を持ちます。
城内は広くて見どころも多く、素晴らしい山城です。
苗木城跡へ行ってみた
大きな山城ゆえに苗木城跡へのルートは多数あります。
今回は苗木遠山史料館を起点として山頂へ向かいます。
苗木城跡へのアクセス
苗木城跡は岐阜県中津川市苗木にあります。
駐車場は数か所に分かれています。
JR岐阜駅からは自動車で約1時間30分。
関駅からは約1時間10分です。
苗木遠山史料館から苗木城跡へ
今回の旅の起点は苗木遠山史料館です。
史料館内部は下山後にゆっくり回ることにして、史料館横の山道から登山スタート。
良い雰囲気の山道です。
中津川市の特徴ともいえる、面白い岩石を活かした登山道も見どころのひとつ。
徒歩3分ほどで「苗木城跡第一駐車場」に到着しました。
車でアクセス可能な最高地点です。
第一駐車場からは全員徒歩で頂上へ向かうことになります。
案内図からも山城のスケールの大きさが伝わります。
絶景ポイント『足軽長屋跡』
駐車場から少し上ると『足軽長屋跡』に到着。
稽古場などが立ち並んでいた場所は現在ビューポイントになっています。
足軽長屋跡からは苗木城の石垣全体が見渡せます。
崖を越えた向かいに堂々とそびえ立つ苗木城が美しい。
天守閣がなく、代わりに天守展望台の格子が組まれています。
さらに近付いて見てみましょう。
大矢倉から眺める苗木城
本丸に向けて3分ほど歩くと「風吹門跡」に到着しました。
門はありませんが立派な石垣が残っています。
風吹門の左手にそびえ立つ巨大な石垣は『大矢倉跡』です。
高さのある石垣は上ることができます。
ちょっと石段が高めなので注意して登ります。
大矢倉跡の上から眺める苗木城跡も綺麗です。
先ほどの『足軽長屋跡』とは少し角度も変わって、距離もかなり近付きました。
苗木城本丸跡の石垣を楽しむ
本日のメインである苗木城跡の本丸に上ります。
既に山を登ってきているので、それなりの標高を感じます。
石段の途中には井戸跡などの見どころも。
標高があるので「千石井戸」と呼ばれるこの井戸の長さも相当なものと思われます。
不思議な形状をした石垣が多く、眺めていて飽きません。
八角形のような面白い石垣は本丸を守る最後の壁です。
巨岩の迂回するように天守への階段が架かっています。
数多の巨岩こそが苗木城跡最大の魅力といえるでしょう。
天守展望台から眺める中津川の絶景
苗木遠山史料館から徒歩10分ほど、苗木城跡の天守展望台に到着しました。
標高は432メートル、城のふもとを流れる木曽川との標高差は170メートル程です。
天守展望台は巨岩を包み込むような木製格子が非常に独特。
苗木城跡から見下ろす木曽川
天守展望台から見下ろす木曽川は見事な絶景。
東方面、上流側を眺めると2本の赤いトラス橋が見えます。
手前は現在使用されていない「北恵那鉄道線」の橋梁です。
かつて中津川と紅葉が美しい付知峡を結んでいた鉄道は1978年に廃線となりました。
いまも駅舎など一部が保存されています。
西方面、木曽川の下流側を眺めると同様に2本の赤いトラス橋が。
手前が「城山大橋」、奥が「玉蔵橋」でどちらも現役の道路橋です。
川べりに建つ山城ということで美しい景観が楽しめます。
紅葉の時期になるとさらに綺麗な写真が撮れて人気とのこと。
四季折々の姿も眺めてみたいです。
山城と中津川の巨岩の不思議
苗木城跡の天守展望台の木製格子は巨岩を抱え込むように建てられています。
10人は余裕で乗れるような巨岩。
岩の一部だけを台座として削って展望台が造られています。
中津川市は鉱物博物館といった研究施設もあるほど独特な地形を持ちます。
これほどの巨岩を標高400メートルを超える山の上に運ぶなんて、人間が何年かかっても無理でしょう。
大自然の力は素晴らしいものです。
苗木城最大の巨岩は天守展望台の南側にある『馬洗岩』です。
周囲が45メートルもある花崗岩は大迫力。
神々しさすら感じる素晴らしい岩石に圧倒されました。
下山は高森神社経由の絶景ルート
天守展望台を楽しんだ後は「高森神社」経由の絶景ポイントを通るルートで下山します。
高森神社の手前にある広場から苗木城跡を間近に眺めることができます。
雲に浮かぶような苗木城跡はまさしく天空の城。
往路で通った『足軽長屋跡』とはまた違った雰囲気を見せてくれます。
さらに付近には巨岩の面白さを伝える「風穴」もあります。
超巨大な岩石が壮大な空間を作り上げています。
内部はコウモリだらけとの記載があり、覗き込む勇気はありませんでした。
苗木遠山史料館を見学
素晴らしい景色を堪能しつつ、苗木遠山史料館へ戻ってきました。
最後にこちらで歴史や地学を詳しく学んでいきましょう。
内部は大半が撮影禁止ですが、苗木城の再現模型は撮影可能でした。
石垣が素晴らしい苗木城の造りがよくわかります。
プラモデルがあったら作りたくなります。
戦国時代には織田氏と武田氏の名将に挟まれた苗木城。
資料館には激動の時代に戦い抜いた城主・遠山氏の記録が詰まっています。
岐阜県を代表する山城・岐阜城を歩いてみた記事も併せてご覧ください。