日本最大の貯水量とダムの底に沈んだ村…岐阜県民の思い出が交錯する【徳山ダム】に行ってみた

日本最大の貯水量とダムの底に沈んだ村…岐阜県民の思い出が交錯する【徳山ダム】に行ってみた

岐阜県にある日本最大のダム

こんにちは!ハリボーです。

私の住む岐阜県には多くの河川があり、人々の歴史は常に洪水との戦いでした。

川の氾濫を防ぐための重要な治水工事といえばダム

実は日本最大のダムは岐阜県に存在します。

知名度では黒部ダムが人気ですが、こちらは貯水量21位と意外に低め。

貯水量1位は岐阜県の揖斐川流域を守る鉄壁「徳山ダム」です。

徳山ダムは揖斐川上流に「徳山湖」という人工湖を形成しました。

しかし、ダムの建設には大きな犠牲が伴いました。

地域住民のさまざまな思いが交錯した徳山ダムの歴史を辿ってみます。

徳山ダムに行ってみた

「揖斐の防人(いびのさきもり)」の異名を持つ徳山ダム。

水害の多かった木曽三川のひとつ・揖斐川上流にてドッシリと腰を据えています。

アクセス

岐阜県揖斐川町にあります。

岐阜駅からは国道417号を北上し約1時間15分です。

徳山ダムの見どころ

山道を登った先にある徳山ダムは見晴らしスポットとしても有名。

紅葉の時期にはツーリングで訪れる方も多いです。

徳山ダムの見どころを巡ってみましょう。

展望台から眺める徳山ダム

まず訪れたいのは駐車場横にある展望台。

雄大な徳山ダムの全貌を見渡せる絶好のロケーションです。

ダムの堤体には排水ゲートが複数並んでいます。

通常使用のゲートが真ん中、左右は増水時の緊急放水用です。

この日は全ゲートが閉じている様子。

続いて川下を見下ろすと現在位置の高さがよく分かります。

堤高は161メートル。

ちなみに堤高ランキング日本一は黒部ダムの186メートルです。

ダム下部が絶壁ではなく滑り台のようなスロープになっているのが特徴的です。

「ロックフィルダム」と呼ばれる型式のダムで、大量の土砂と岩石を積み上げて建設します。

建設手法の都合上、大量の岩石を輸送する必要がありました。

運搬には90tトラックという超巨大重機が活躍。

タイヤの外径だけでも2.7メートルというデカさです。

日本一広い人工湖「徳山湖」

続いてダムの上を歩きながら徳山湖を眺めます。

総貯水容量 660,000,000 m³は日本一。

ケタが多くていまいちピンと来ないですが、「浜名湖2つ分」と考えると恐ろしくデカいです。

(浜名湖貯水量は350,000,000m³)

ダムの端から端まで歩くだけでも結構な距離です。

堤頂長は427メートルで、ダムを往復するだけでも約1km歩くことになります。

とにかくスケールが大きいです。

私の他にも数十名の観光客がいましたが、あまりにもダムが長いせいか皆途中で引き返していきました。

ようやく反対側(左岸側)へ到着。

管理用の施設のほか、「慰霊碑」を見つけました。

この徳山ダム、実は悲しい思い出もたくさん眠る場所です。

美しい徳山湖の景観も、50年前までは全く違った光景でした。

徳山ダムと旧徳山村

ダムがもたらす恵みは発電や給水、防災など多くあります。

一方でその陰には地域住民の犠牲が付きまといます。

消えた徳山村

現在の徳山湖には、かつて岐阜県揖斐郡徳山村が存在しました。

暴れ川だった揖斐川は1959年の伊勢湾台風で大きな爪痕を残し、ダム計画が大きく進みます。

しかしダムの建設は徳山村の消滅を意味し、当時1,500名いた住民からは建設反対の声が多く上がりました。

官民の交渉は難航し長期に渡ります。

計画開始から約50年の時を経て、2008年に徳山ダムは完成。

移転補償を受けた住民は主に本巣市などへ引っ越し、徳山村は地図から名前を消しました。

旧徳山村の歴史を紡ぐための取り組みも随所に残ります。

徳山湖の北部には「徳山会館」が、付近の道の駅「星のふる里 ふじはし」には「徳山民俗資料収蔵庫」が建てられました。

揖斐川町では移転を余儀なくされた住民達の思いがいまも交錯します。

論争を生むダムの必要性

「村が消滅する」という重要性から、徳山ダムの建設はダム自体の必要性を問うきっかけにもなりました。

161,900kWという規格外の発電量や日本最大の貯水量、何より揖斐川の安全を守るという意味で、徳山ダムが大切な存在であることは確かです。

一方で故郷を奪われる悲しみは想像を絶するものであり、ダムの恩恵がそれに見合うかは慎重な議論が必要です。

地域づくりを志す若い方々は、徳山ダムを学んでおいて損はないと思います。

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