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愛された路面電車『名鉄美濃町線』
こんにちは!ハリボーです。
関市民の足と言えば現在は第3セクターの長良川鉄道ですが、昔は名古屋鉄道の美濃町線が走っていました。
新岐阜駅(現名鉄岐阜駅)から国道156号線に沿って関市を通り、美濃市中心部まで全長24.8キロの路線です。
正確には新岐阜駅より北寄りにある徹明町駅が起点で、多くの列車が新岐阜駅まで直通していました。
1911年に開業した昔ながらの路面電車は市民の交通を支え続けましたが、車社会の発展とともに1999年に新関駅~美濃駅間が廃線に、残りの区間も2005年をもって完全に廃線となりました。
廃線から23年経過した2022年現在、どこまで美濃町線の名残は刻まれているのでしょうか。
今回は名鉄美濃町線の廃線区間の中で、旧美濃駅から旧新関駅までを辿って歴史を振り返ってみます。
美濃駅~新関駅 廃線跡を辿る旅のルート
今回は旧美濃駅を起点として以下の5駅を辿ります。
- 美濃駅
- 松森駅
- 神光寺駅
- 下有知駅
- 新関駅
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※アイコンの位置は多少のズレがあります。
区間距離は約6キロ。
徒歩でも1時間少々なので、ウォーキングにピッタリの距離です。
2022年現在の名鉄美濃町線廃線跡を辿ってみた
名鉄美濃町線『美濃駅』
旅の起点は岐阜県美濃市、美濃駅です。
当時の駅舎やプラットホーム、路線が保存されています。
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開業時1911年から100年近くも活躍してきた美濃駅。
ホームには3両の列車が現存されています。
4両に見えますが左端はハリボテ。
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右から順に「モ593号」「モ512号」「モ601号」と並びます。
綺麗に保存されている今では貴重な路面電車たち。
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行き先表示は「モ601号」は「徹明町」、「モ512号」は「美濃」行きですが、「モ593号」は「忠節」行きの表示です。
忠節は名鉄美濃町線ではなく、岐阜市内線の駅です。
岐阜市内線も美濃町線と同様に2005年に全線廃線となってしまい、岐阜の町からは路面電車が姿を消しました。
美濃駅のアクセス
旧名鉄美濃駅舎は長良川鉄道美濃市駅から100メートル北西にあります。
さらに北西に3分歩くと観光名所として有名な「うだつの町並み」があります。
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「うだつ」とは防火壁のこと。
地位や生活が豊かになる意味の「うだつが上がる・上がらない」という言葉の由来です。
昔ながらの歴史地区で街歩きや食べ歩きが楽しめます。
名鉄美濃町線『松森駅』
国道156号線に沿って南下し次駅の松森駅を目指します。
廃線から23年、丁寧に保存されていた美濃駅と異なり路線やホーム跡はすっかり無くなっています。
こちらは旧松森駅付近にある「白髭神社」です。
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「白ひげ」の名前がカッコいいですね。
ONE PIECEの流行と共に話題になるかもしれません。
名鉄美濃町線『神光寺駅』
さらに南下すると学校が見えてきました。
関市立下有知中学校です。
自転車置き場沿いに名鉄美濃町線の旧神光駅プラットホームがありました。
相対式ホーム2面2線の行き違い可能駅でしたが、今ではすっかり面影が無くなっています。
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周辺の自転車道は廃線跡を活用した道路です。
「市民のみなさん大いに利用してください」との看板が。
見た感じではあまり使われていないようでしたが、おそらく通学に利用されるのでしょう。
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国道を渡って東へ進むと駅名の由来である神光寺が。
立派な門と広々とした境内が特徴的です。
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名鉄美濃町線『下有知駅』
続いての駅は下有知駅。
長良川鉄道の「関市役所前駅」と「関下有知駅」の中間に位置した1面1線のシンプルな駅です。
ホーム跡は空き地として残っています。
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すぐ隣にはたくさんの鳥居が立派な稲荷神社があります。
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ちなみに長良川鉄道の「関市役所駅」は、名鉄美濃町線の廃線を機に代替として作られた駅です。
ひとつ隣の「関下有知駅」はかつて「中濃西高前」という駅名でした。
名鉄美濃町線『新関駅』
廃線を辿る旅のラストは新関駅。
美濃駅から新関駅が廃線になった直後、新関駅は長良川鉄道とのアクセスのため関駅まで延伸しました。
結局わずか6年で廃線となりましたが、いまでも延伸区間の一部が空き地として残っています。
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旧名鉄関駅跡は「関シティターミナル」として関市の新たな玄関口に生まれ変わりました。
関駅から西へわずか徒歩3分で旧新関駅に到着。
いまでは新関駅の面影は無く、すっかり住宅街になっていました。
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わずかに名残を感じるのは関川を渡る橋桁跡。
橋自体は撤去されていますが、かつて架けられていた路面電車特有の線路むき出し橋の跡が微かに残っています。
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廃線跡を辿る旅を終えて
今回は名鉄美濃町線の廃線跡を辿り、2022年現在の美濃駅から新関駅までの区間を調査しました。
廃線から23年の期間は長く、線路やホームの大半が撤去されてしまって唯一美濃駅だけが保存されている状態でした。
人々の暮らしを支えて市民に愛された路面電車。
その多くが日本の町から姿を消してしまいましたが、富山や熊本など今も一部の市では現役で活躍しています。
鉄道ファンのひとりとして、いつか姿を消す前にたくさん乗っておきたいです。